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「教えて」の先は、一緒に。

質問が苦手な子に、
答えより先に渡せる手掛かり

何を聞けばいいか分からない。
そんなときにも、相談の入口を。

ノートの一部を指差しながら、横に座るスタッフに相談する子どものイメージ

「分からなかったら聞いてね」と伝えたのに、宿題の前で手が止まったまま。「どこが分からないの?」と聞いても、返ってくるのは「全部」や「分からない」という言葉。何から教えたらよいのか、大人も迷うことがあります。

相談するには、困っていることを見つけ、それを言葉にし、相手に声をかける必要があります。子どもにとっては、問題を解くこととは別の難しさがあるのかもしれません。

ここでは、質問を立派な文章にする練習よりも前に、相談を始めるための入口を考えます。「教えて」の一言だけでも大丈夫。その先は、大人が一緒に整理できます。

うまく言えなくても、始められる

「ここ」を見せるだけでも、質問になる

何が分からないのかが分からないときに、詳しい説明を求められると、さらに黙ってしまうこともあるでしょう。まずは、子どもが今見ているものを一緒に見るところから始めてみます。

ノートを差し出す。問題の場所を指で示す。読めない言葉に付箋を置く。声が出しにくいときには、そうした動きも相談の合図として受け取れます。

「このページを見ればいいんだね」と受け止めてから、「一緒に読もうか」と続ける。相談を始めるために、子どもが先に困りごとを分析し終えている必要はありません。

冊子の図を指差す子どもと、付箋で場所を示す大人の手のイメージ
短い言葉で「教えて」

何を聞くかは、あとから一緒に見つけます。

場所を見せて「ここ」

指差しやノートを見せる動きでも伝えられます。

助け方を伝えて「一緒に読んで」

してほしいことが分かる日は、それを言ってみます。

大人が持っておく、見取り図

同じ「分からない」にも、違う入口がある

問題そのものが難しい場合もあれば、何をする課題かがつかめていない場合もあります。下の整理は、子どもに全項目を答えさせるチェック表ではありません。今の様子から、大人が声のかけ方を選ぶための例です。

言葉や指示がつかめない
一文を一緒に読む

読めることと、意味が分かることは別です。「何をするって書いてあるかな」と、短いまとまりで確かめます。

最初にすることが見えない
最初の動きを示す

図を見る、分かっている数を探すなど、取りかかる動きを一つだけ一緒に選びます。

途中までは進んでいる
最後に分かった所へ戻る

途中のメモや手順を見ながら、考えがつながらなくなった場所を探します。

答えは出たが不安
確かめ方を一緒に選ぶ

問題に戻る、図と照らす、例題と比べる。正解かどうかだけでなく、見直す場所を示します。

どれに当たるか決められないときは、無理に分類しなくても構いません。疲れている、周囲の音が気になる、助けを求めにくいなど、課題以外のことも含めて様子を見ます。

父親と子どもが木の丸いチップを並べ、具体物を使って考えるイメージ

答えを隠すためではなく

次に考えられる手掛かりを、一つ渡す

困っている場所が少し見えたら、子どもが使えそうな手掛かりを選びます。たとえば、似た例題を開く。紙に簡単な図を描く。物を実際に並べてみる。説明だけではつかみにくいときには、目に見える形も選択肢になります。

いくつも続けて助言するより、「この図を見ると、何が分かるかな」と一つを試す時間を取る方法もあります。ただし、待つことを優先しすぎて、困ったままにする必要はありません。

手掛かりだけでは進めないときは、大人が考え方を言葉にしながら一例を示します。教えることと、自分で考えることは二者択一ではありません。説明を聞いてから、次の一部分を本人が試す形もあります。

問いかけを、問い詰めにしないために

「どうして?」「さっき何をした?」「次は?」と質問が続くと、説明すること自体が課題になってしまいます。子どもが答えられないときは、大人の側から言葉を添えてもよいのです。

大人が見えていることを伝える

「ここまでは書けているね。次のところを一緒に見よう」

選べる助け方を少なく示す

「先に一緒に読む? 図にしてみる?」

どちらも選べなければ、「まず一緒に読んでみようか」と支えて構いません。選択肢を出したから必ず選ばせるのではなく、負担になっていないかも見ながら進めます。

大人がすぐ対応できない場合は、「あとで」だけで終えず、いつ・どう声をかけるかを伝えます。待たせたあとは大人から戻ることも大切です。質問のしかたと同じくらい、相談したときの受け止め方を整えておきたいものです。

相談の先に、小さな行動を

分かったかを試験せず、一つ試してみる

説明のあとに「分かった?」と聞くだけでは、子どもも返事に迷うかもしれません。「次の一つを一緒にやってみよう」と、使ってみる場面を用意します。

止まったら、説明が足りなかったところや別の困りごとを見直します。一度聞いたのだからもうできるはず、と決めつけず、同じことをもう一度相談してよいと伝えておきます。

前より具体的に話せた日は、そのことを短く返してもよいでしょう。「どこを見てほしいか、指で教えてくれたから分かったよ」。質問の形を採点するより、伝えたことで助けにつながった経験を大切にします。

相談のあとノートで一つ試す子どもと、横で見守るスタッフのイメージ

相談の入口を、家庭と放課後で共有する

「人前では言いにくいけれど、ノートを見せると話せる」など、助けにつながった方法があれば、学校や学童へ具体的に伝えてみます。家庭でも毎回うまくいく必要はありません。うまくいかなかった場面も含めて相談できます。

宿題の量や難しさに困る日が続くときは、質問の練習だけで解決しようとせず、課題の負担について相談する方法も確認してください。生活場面での声のかけ方は、初めての日に「困った」を伝える準備で扱っています。

なお、けがや体調不良、怖い思いをしたときなどは、説明の形を整えるより先に大人へ知らせることが大切です。ここで紹介した整理の手順を、助けを求める条件にはしません。

答えだけでなく、相談できる過ごし方を

ガクモンの学習支援では、宿題や自主学習への取りかかり、丸つけ、やり直しを支えています。見学・利用相談では、質問しにくいときの様子や、家庭で助けになっている関わり方もお聞かせください。実際にどのような支援ができるか、校舎と確かめていきます。

構成・編集:ガクモン編集部。会話・場面は説明用の例です。イラストは本記事用に制作したイメージで、実際の児童・職員や個別の指導事例を示すものではありません。