GAKUMON JOURNAL / 小さな「気になる」から
「好き」がまだ決まっていない子に、出会いをどう用意する?
まだ決めない。
少し出会ってみる。

「何かやってみたいことはある?」と聞いても、「分からない」。友だちは習い事に夢中なのに、うちの子にはまだ好きなものがないのかな、と気になることがあるかもしれません。
そんなときは、答えを急いで引き出すより、ふだん何に足を止め、どこをもう一度見ようとしているかを一緒に眺めてみませんか。まだ言葉になっていない関心にも、小さな入口はあります。
「好き」を一つ決めることではなく、「少し触れてみたらどうだったか」を確かめることから。この記事では、家庭で用意できる出会い方と、試した後の選び方を考えます。

小さな反応を、手掛かりに
「好き?」より先に、
何を見ていたか。
たとえば、道端の影を追う。箱を捨てる前に開いたり閉じたりする。物語の同じ場面を何度も読む。こうした様子を見ても、すぐに「理科が得意」「工作向き」と結論を出す必要はありません。
気になったのは、影の形かもしれないし、自分が動くと変わる面白さかもしれません。「これ、何が気になった?」と短く聞き、返事がなければ、そのまま一緒に見るだけでもよいでしょう。
観察は評価表をつけるためではなく、次に差し出すものの手掛かりです。昨日反応したものに、今日は関心がなくても構いません。
ひとつだけ、開いてみる
四つの入口から、今日の「少し」を探す。
才能を判定するための分類ではありません。同じ遊びが、いくつかの入口につながることもあります。全部を試すチェックリストにせず、親子で一つ選ぶための見取り図として使ってください。
つくる
紙を一回折って、形を変えてみる。
「ここを変えたら、どうなる?」
完成品より、変えてみたい部分があるかを見ます。
動く
安全な場所で、ボールを転がし合う。
「近くと遠く、どちらにする?」
勝ち負けより、自分で動きを選べる余地を用意します。
読む・見る
本を一冊読み切らず、気になる一ページを開く。
「もう一度見たいところは?」
文字だけでなく、絵や写真への関心も入口になります。
表現する
見たものを、線や動きで表してみる。
「どの部分を見せたい?」
上手な作品に仕上げる前に、本人が表したいものを聞きます。
以上は家庭での取り組みを考えるために、ガクモン編集部が作成した説明例です。ガクモンの特定講座の実施内容や参加条件を示すものではありません。

参加の大きさを、調整する
最初は「見ているだけ」も、入口になる。
新しい場所、新しい道具、知らない人。活動そのものには関心があっても、一度に変わることが多いと、すぐには手を出せないことがあります。
家でなら、大人がやってみるところを眺める、一つだけ道具に触る、途中で終える、といった小さな始め方を選べます。「ここまでやらないと」と完成を求めず、どこまで試すかを先に話しておくと、終わり方も選びやすくなります。
教室などを利用する場合、見学だけの参加や途中退出ができるとは限りません。参加方法や本人が不安に感じていることを、事前に主催者へ確認しましょう。無理にその場で決める必要はありません。
「楽しかった?」を、もう少し小さくしてみる。
終わった後に聞きたいのは、続けるかどうかだけではありません。「何をしたときが面白かった?」「もう一度やるなら、同じところと違うところは?」と場面を絞ると、次に変えたいことが見える場合があります。
たとえば、絵を描くのは楽しかったけれど、人前で見せるのはまだ嫌だった。その二つが分かれば、「絵は好きじゃない」とひとまとめにせず、家で描く時間をもう一度用意する、という選択もできます。
答えを選ばせることさえ負担になりそうな日は、質問をやめて休むことも大切です。大人の聞き方を整理したいときは、子どもの話を聞くとき、すぐに答えを出さない関わりも参考にしてください。

答えは、一つではありません
続ける・変える・休む。
どれも、次の選び方です。
- もう一度、同じことをする
- 「あの続きをしたい」があれば、種類を増やさず、同じ道具をまた使ってみる。
- 一部分だけ、変える
- 内容には関心があるなら、時間や人数、使う材料など、変えられる条件を一つ考える。
- 今日は休む
- 疲れが強い、気持ちが向かない。そんな日は予定を足さず、落ち着いて過ごす時間を残す。
出会いを増やすことは、予定を埋めることではない。
あれもこれも経験させたいと思うと、週の空いているところが気になるかもしれません。ただ、学校から帰った後には、遊びたい日も、何も決めずに過ごしたい日もあります。新しい活動を増やす前に、移動や準備、お迎えまで含めて、生活に無理がないかを確かめたいところです。
「向いていない」と早く決めないことと、嫌がっていても続けさせることは違います。何が負担なのかを聞き、運営側に相談できることと、家庭で見直すことを分けて考えましょう。始めたからといって、そのまま続ける以外の選択がなくなるわけではありません。
小さく試してみた経験は、次に何を選ぶかを考える材料になります。体験をその後の行動につなげる見方は、放課後の体験を、次の学びにつなげるということで、具体的な遊びの場面から紹介しています。
気になることが見えてきたら、習い事を選ぶ前に。子どもが出会える経験から考えるへ。活動の中で本人が何をするかと、生活との相性を整理する選択メモを紹介しています。
放課後の関わり方も、選ぶ手掛かりに。
ガクモンは、日々の学習や活動、習い事を一日の流れの中でつなぎ、自分で考え、伝え、試す経験を大切にしています。活動の種類だけでなく、子どもへの関わり方も、放課後の環境を選ぶ視点になります。