答えの前に、一緒にたどる時間。
「なぜ?」を一緒に調べるとき、大人は何を手伝う?
知りたいことを、一つずつ。
問いから始まる、親子の調べもの。

「どうして、こっちの葉っぱは細いの?」。散歩の途中や食卓で、急に始まる子どもの質問。知っていれば教えたくなるし、分からなければ、ついスマートフォンで答えを探したくなります。
もちろん、答えを伝えることが悪いわけではありません。ただ、ときには何を知りたいのか、どうしたら確かめられそうかを一緒に考える時間も持てます。
大人が全部を調べて説明するのでも、「自分で調べなさい」と手放すのでもない。その間にある手伝い方を、身近な疑問から見てみましょう。
調べ始める前に
すべての「なぜ?」を、
勉強の時間にしなくてもいい。
子どもが質問するのは、詳しく知りたいときだけとは限りません。見つけたものを一緒に見てほしい、驚いた気持ちを話したい、ということもあるでしょう。
「形が違うの、気になったんだね」と受け取り、「もう少し見てみる?」と尋ねてみます。本人が別の遊びへ向かったら、毎回引き止めて調べさせなくても大丈夫。興味が続いているときに、次の手がかりを一つ添えるくらいから始められます。
問いを整える
大きな疑問を、
見たり比べたりできるところまで。

「どうして葉っぱは違う形なの?」は、一度に答えるには広い問いです。まず「今見ている二枚は、どこが違う?」と、目の前で確かめられることへ少し近づけてみます。
- 見えていること
- 片方は細長い。もう片方は丸みがある。ふちの形も違って見える。
- 思いついたこと
- 違う種類の木から落ちたのかな。同じ木の葉でも、形は変わるのかな。
- 次に知りたいこと
- 木の名前や、葉の形を調べる手がかりはあるかな。
これは観察を始めるための会話例で、葉の種類や形の理由を判定する説明ではありません。二枚を見比べただけでは、「なぜその形なのか」まで分かったことにはならない。その違いも、大人が一緒に整理できます。
子どもの予想に、すぐ正解・不正解をつける必要はありません。「そう思ったのは、どこを見たから?」と、気づいたことへ戻ってみます。まだ予想がなければ、無理に言わせず、見ることや読むことから始めてもよいでしょう。
手がかりを探す
「検索する」の前に、
どこで分かりそうかを考える。
調べる方法は、一つではありません。何を知りたいのかに合わせて、使えそうな方法を選びます。読む力や道具の扱いに合わせて、大人が入り口をつくることもできます。
実物を、もう一度見る
色、形、大きさ、動きなど、目の前で確かめられることを観察します。記憶だけで比べにくければ、同じ場所を絵や写真に残す方法もあります。
大人の手伝い安全な場所・触れてよい物かを確かめ、見たいところへ目を向けやすくする。
図鑑や本で探す
写真や見出し、目次から、関係しそうなページを探します。難しい言葉があれば、その部分を大人が読み、絵や実物とつなげてみます。
大人の手伝い本を選ぶ、目次の使い方を見せる、分からない言葉を一緒に確かめる。
詳しい人に聞く
図書館で関連する本の探し方を尋ねたり、施設の担当者に展示の説明を聞いたりする方法もあります。「何を知りたいか」を一つにすると尋ねやすくなります。
大人の手伝い誰に何を聞くか相談し、必要なら一緒に質問する。対応できる範囲は相手にも確認する。
ウェブで探す
大人と一緒に、調べたい言葉を短く整理します。上に表示された情報だけで決めず、どんな組織や人が、何について説明しているページかを見ます。
大人の手伝い広告や申込画面と説明記事を区別し、不要な登録や個人情報の入力をさせない。

本を開いた、その先も
大人が読んであげても、
考えるところは一緒に残せる。
「自分で調べる」を、文字を一人で全部読むことにしなくてもよいのです。大人が難しい部分を読み、子どもが図を探す。見つけた写真と、手元の葉の形を比べる。役割を分けながら、同じ疑問を追うこともできます。
ただし、似た写真を見つけただけで、同じ植物だと決めないようにします。「形は似ているね。ほかにどんな特徴を見たらよさそう?」と、まだ確かめていないところを残します。
知りたいことと違うページだったときも、「調べ方が悪い」で終わりにせず、言葉を変える、目次へ戻る、別の本を探すといった選び直しを一緒に考えられます。
答えらしきものが見つかったら
「書いてあった」で終わらず、
何への答えなのかを確かめる。
情報を見つけることと、自分の疑問に合う答えを見つけることは、同じではありません。小学生の調べものでも、大人が次のような点を一緒に見ていけます。
- 知りたかったことに合っている?
- 木の名前が分かったのか、形の違いについて説明があったのか。最初の疑問と、読んだ内容を並べます。
- 誰が、何をもとに説明している?
- 本の著者や出版社、ウェブの運営者、説明の根拠を見ます。詳しく見えたり、言い切っていたりするだけで正しいとは決めません。
- ほかの手がかりとは、どうつながる?
- 別の資料や、自分で見たことと比べます。同じ説明が多くても、それだけで確定せず、同じ情報を写したページではないかも大人が確認します。
意見が分かれる話題や、簡単には答えが出ない問いもあります。「今日はここまで分かった」「この理由はまだ確かめられていない」と区切れることも、調べる経験の一部です。
あとに残すもの
きれいなまとめより、
次に戻れる、小さな記録。
長い感想文や立派な自由研究にしなくても大丈夫。絵一枚、短い言葉、見た本のページなど、あとで思い出す手がかりを残す方法があります。
「分かったこと」と「まだ知りたいこと」を、別々に置いてみましょう。書くことに疲れそうなら、子どもの言葉を大人が書き留めても構いません。今日の問いを全部終わらせることより、次にどこから始めるかが分かる記録を目指します。

葉を比べた日の、記録の例
- 見つけたこと
- 二枚の葉は、細長さやふちの形が違っていた。
- まだ分からないこと
- 同じ木の葉にも、形の違いがあるのかな。
- 次の手がかり
- 図鑑で同じ木の葉の写真を見てみたい。
いつもの放課後にも、問いの入り口を
「知っている」を増やすだけでなく、
分からないこととの付き合い方を。
ガクモンプログラムでは、言葉を増やす・話す・調べる・考える・話し合うという五つの取り組みをつなげています。疑問を持ち、情報を集めて比べ、自分なりに考えることを大切にしています。
見学では、活動の種類だけでなく、子どもが疑問を口にしたときや、考えが止まったときの関わり方もお尋ねください。ここで紹介した葉の観察は関わり方の例であり、校舎で行う活動の指定ではありません。実際の内容は各校舎へご確認ください。
疑問を、ものづくりで確かめる経験については、レゴ エデュケーションのものづくりで、予想と結果を比べるもご覧ください。何を変え、何をそろえて試すのか。完成品だけでは見えにくい、考える途中の時間を紹介します。
構成・編集:ガクモン編集部。本文の会話・観察・記録とイラストは説明用の例です。植物の種類や安全性を識別する資料としては使用しないでください。