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「もう一回」の、その前に。

失敗から学ぶとは、同じことを頑張り続けること?

方法を変える。助けを借りる。ひと息つく。
次の一歩は、一つではありません。

積み木の橋が崩れてがっかりしている子どもの隣で、大人が話を聞くイメージ

積み木の橋が、また崩れた。何度折っても、紙飛行機が思うように飛ばない。隣で見ていると、「もう一回やってみよう」「諦めないで」と声をかけたくなることがあります。

続けてみることで分かることはあります。でも、同じやり方を繰り返すことだけが、失敗から学ぶ方法ではありません。やり方を変える。誰かに見てもらう。今日は少し離れる。そんな選択も含めて、次を考えることができます。

うまくいかなかった出来事を、すぐに「よい経験だったね」とまとめなくても大丈夫。まずは子どもが何に困り、どうしたいと思っているのか。その手前から、一緒に見ていきましょう。

まずは、今の気持ちから。

悔しさを、急いで学びに変えなくても

大人には小さな失敗に見えても、本人は時間をかけていたのかもしれません。完成させて見せたかった、友だちのようにできると思っていた。結果の手前にある期待は、外からは見えにくいものです。

「何がいけなかったの?」と原因を探すより先に、「できそうだと思っていたんだね」「ここまで作ったのに、悔しいね」と、今見えていることを短く返してみます。本人が違うと言ったら、その言葉を聞き直します。

話す準備が、まだできていない日もあります。

返事が出ないときは、質問を重ねずに待つ。話したくなったら聞くと伝える。気持ちを説明できたかどうかを、次の課題にしないことも大切です。

失敗を振り返ることと、その場で気持ちを切り替えさせることは別です。大人が用意した教訓を受け取らせる時間にしないようにしたいですね。

「もう一回」のほかにも、道はある。

今の困り事に合わせて、次を選ぶ

次の三つは、順番に全部行う手順ではありません。本人の様子と、うまくいかなかった場面に合いそうなものから考えます。

支えが離れて崩れた積み木の橋と、支えの位置を変えた橋を比べるイメージ

方法を変える

「もっと頑張る」を、一つの工夫に置き換える

たとえば、積み木の橋が崩れた場面。「もっと丁寧に」と言うだけでは、次に何を変えればよいか分からないことがあります。どこから崩れたのか、支えの位置はどうだったか。一緒に見られるところを探します。

「支えを少し近づけたらどうなるかな」「上に載せるものを軽くしてみる?」。大人から案を出すときも、正解として押しつけるのではなく、試す候補として渡します。子どもの案があれば、それを確かめる方法を考えてもよいでしょう。

いくつも同時に変えると、何が違いにつながったか分かりにくくなります。まず一か所を変えて比べる。うまくいかなければ、その結果を見て次を考える。成功するまで続けることではなく、違いを確かめる時間として捉えてみます。

紙飛行機の折り方で迷った場所を指さし、大人と一緒に確認する子どものイメージ

手助けを借りる

全部を代わるのではなく、止まったところを一緒に

説明の言葉が分からない。道具の使い方を知らない。一人では材料を押さえられない。止まっている理由によって、必要な手助けも変わります。

「ここまではできたんだね。その次を一緒に見ようか」。できている部分と、困っている部分を分けてみます。言葉にしにくければ、指さしてもらう、やっていたところを見せてもらう方法もあります。

一工程だけ見本を見せる、紙を押さえる、説明を短く言い換える。大人が手伝う範囲を確かめ、続きのどこを本人がやってみたいかを相談します。助けを借りたから「自分でできなかった」と数える必要はありません。

質問の入口をつくる工夫は、質問が苦手な子に渡せる手掛かりでも詳しく紹介しています。

作りかけの工作をトレーに置き、水を飲んでひと息つく子どものイメージ

いったん休む

続けない時間にも、置き方がある

今は疲れている。何度もやり直して、考える余裕がない。「今日はやめたい」と言うときに、続けることだけを勧めなくてもよいでしょう。

自由な遊びや工作なら、材料をまとめて置いておく、今の形を残しておくなど、また触れたくなったときに戻れる方法があります。再開する約束を必ず取りつける必要はありません。別の遊びを選び、そのまま戻らないこともあります。

一方で、提出期限のある宿題や、仲間と担当を決めた活動は、本人の希望だけでなく必要な確認もあります。どこまでできたか、誰に知らせるか、どの部分の助けが必要かを大人と整理します。休むことと、困り事を誰にも知らせないままにすることは分けて考えます。

たとえば、橋が崩れたあと。

次を決めるまでを、一緒に考える

こんな会話になればよい、という正解ではありません。本人の言葉を聞きながら、困っている場所と選択肢を確かめる例です。

  1. 子ども

    「また崩れた。もうやだ」

  2. 大人

    「何回も作ったのに、悔しいね。今は少し離れたい?」

  3. 子ども

    「でも、つなげたい。ここが落ちる」

  4. 大人

    「ここなんだね。支えを動かしてみる? 一緒に押さえてみる?」

  5. 子ども

    「こっちを動かしてみる」

「もう今日はいい」と言うなら、そこで終える選択もあります。大人の望む再挑戦に向かうまで質問を続けるのではなく、本人が選べる余地を残します。

結果以外に、何が変わったかを見る

方法を変えても、思った通りにはならないかもしれません。それでも、どこが落ちたかを見つけた、手伝ってほしいところを伝えた、今は休むと決めた。結果とは別に、その場で取った行動があります。

「すごいね」と大きく褒めるより、「さっきとは支えの位置を変えていたね」「分からないところを指で教えてくれたね」と、見ていたことを具体的に返す方法もあります。本人が話したくなったら、どう考えたのかを聞いてみます。

毎回すぐに振り返りを求めなくても、その経験がなくなるわけではありません。会話のタイミングを考えるヒントは、体験を振り返るときの問いにまとめています。

取りかかる前から「どうせできない」と言うときには、再挑戦を勧める前に聞きたいことがあります。励ます前に、難しい部分と欲しい手助けを確かめる関わりを、会話の例とともにまとめています。

放課後の経験にも、この視点を。

挑戦できることと、支えを借りられること

新しいことに出会えるかだけでなく、うまくいかなかったときにどのように関わってもらえるか。放課後の居場所を選ぶときには、その点も確かめてみませんか。

ガクモンでは、活動の目的や目当てを確かめ、試したことを振り返って次の行動につなげることを大切にしています。詳しい考え方は、ガクモンについてでご紹介しています。

見学では、スタッフが子どもの話をどう聞き、どこを手伝い、どこを本人に任せているかをご覧ください。お子さまが普段どんな場面で困るのかを伝えていただくと、過ごし方を相談する入口になります。必要な支援や対応できる範囲は、各校舎と個別にご確認ください。

構成・編集:ガクモン編集部。会話・工作の場面と挿絵は説明用に制作したイメージで、特定のお子さまの事例や校舎での実施記録ではありません。